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斉藤英治 随想(当社発行メルマガのバックナンバーの一部でもあります)

●日本健康科学学会・関西支部・学術大会 大会長 斉藤英治 講演(要旨)

脳とこころの健康能率医学 最前線

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1)健康とは何か、健康観の進化と実践適用:第一段階から第五段階へ

日本には、古来、養生とか食養といった優れた健康観があったが、外国からヘルス(健康)という言葉が入って定着した明治時代以降から最新の健康についての考え方と定義について、次のようなステップで視野が広がり、次第に進化していることが分かる。

第一段階は、図表1のように、健康とは、「快食、快眠、快便が健康の証」といわれたように、体の健康だけをひたすら考えているケースである。もちろん、身体の健康は基礎であり重要なのであるが、それがすべてではないことは明らかである。

第二段階は、そこで日本の厚生省が遅ればせながら、健康の三要素として、図表2のように、栄養、運動、休養というものを提示した。休養をメンタル的なものとすれば、この三要素の指摘は、かなり要点をついたものである。しかし、この段階では、厚生省の健康の三要素というのは、あくまでも個人レベルの健康にすぎない。すなわち、狭い意味での健康である。

第三段階は、WHO(世界保健機構)が提唱したもので、かなり前から、図表3のように、健康の概念を打ち出している。それはWHOの定義によれば、

「健康とは、単に病気や虚弱でないと言うだけでなく、身体的、精神的および社会的に完全に良好な状態(well-being)のことである」としている。この段階では、やや視野が広くなってきたが、これでもまだ、適応できるかと言ったやや受け身の健康である。

第四段階は、健康観の視界がさらに広がるWHOの改革案

そこで、WHOの理事会では、もうすぐ図表4のような新たに健康の概念を打ち出すことが討議されている。ここで新たに健康の要素として、からだ(フィジカル)、こころ(メンタル)、社会的(ソーシャル)に健康であるだけでなく、これに加えて、スピリット(積極的精神)ダイナミック(活動的、積極的)ということが加わっている。この5つの要素が満足されて初めて健康と言うことが出来るわけである。

スピリットとは、メンタルとは違ってより人間としてのより高度で純粋な精神をさすのであり、ダイナミックとは自然治癒力などに見られるような人間の本来持っている進化していく能力、環境や他の動植物、地球にも積極的に働きかけ、これらと共生して、共に進化、向上していく能力を指すものであろう。

健康の第五段階(図表5)、そこで、更に積極的に、視界を広げた健康観は、図表5である。これは、アメリカの予防医学雑誌Preventionに載っていた一枚の図を、著者が翻訳、一部改変したものだ。つまり、あなた(YOU)の周りに、身近な世界があり、またその周りに健康に影響する環境がある。あなたはこれらの環境的な要素から影響を受けると共に、逆にあなたの心と体を健康にすることによって、これらの環境における健康の要素に、良い影響を与え、環境全体を健康にしていることができるという双方向の関係であろう。


2)脳と心を活性化して、21世紀の健康人間像を確立し、健康で活力ある日本の再生を

日本は国際競争力が、かつて、10年前は、世界一位と言われていたのに、現在は、世界で23位に下がってしまった。私は、東洋と西洋の間にある日本こそが、この進化した健康観を確立し、実践し、世界の最先端のモデル国家になって欲しいと強く願っている。

そこで私は、上記の健康科学の研究を踏まえて、21世紀の健康人間像として、先ほどの健康の5大要素を含めて、身体だけでなく、脳やこころを活発にして、「生きがいと人生目標をもった知識創造人間になること」21世紀の健康人間像として提唱している。最新の脳科学の研究では、「読み書きそろばん(前向き思考)」が、こころと脳を活性化するとしている。みんなが楽しく学習して、アイデアをだしあって、創造し、それで日本人が、日本が、新しい健康社会を世界に先駆けて創っていこう。世界の最先端の健康な活気あるダイナミックな社会をまず日本で実現していこう。そういったことを私は全国的に提唱している。

こうして、日本の第一線の大手企業群に招かれて、管理職や社員の皆さんに研修講演を続けている。メインテーマは、「IT時代における脳内情報処理力と創造力の向上とスピード化」と言うテーマではあるが、私の講演の根底には、みんなが勉強して自分で自分の責任を自覚して、IT技術や脳科学、心身健康を勉強して、知識を蓄え、創造力と活力ある健康な人間になっていただこうと、つまり、KT(Knowledge Technology:知識創造技術)革命というのを私は提唱している。職場の第一線の多くの皆さんがほんとうに熱心に研修を受けている。ここでも痛切に感じたのは、我々、健康科学学会の使命というのは、健康科学の研究成果を活用し、第一線で働くこれらのビジネスパーソン、それから、老若男女、国民がみんな、明るい希望と人生目標をもって、脳とこころを活発にし、元気で国内や海外でも活躍でき、しかも心と体が健康で活力があふれている姿になれるよう一生懸命支援しよう。ここに健康科学の使命があると考えている。逆に、こういった事を実行して行かなければ、このままの日本は危ないという強い危機感がある。

健康科学に携わる皆さん。日本を世界最先端のダイナミックで創造的な健康モデル国家にするために、一緒に、尽力をつくして行こうではありませんか。

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