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※斉藤英治のYoutubeスピーチ動画はここ(約5分)
~下記の文章テキストと動画と並行して見ると、一層分かりやすいです。
http://youtu.be/UkBcp39PeIE 

S 170●人間らしい生き方、死に方

デーケンさんの素晴らしい講演の余韻が残っている時に、せっかくですから、
デーケンさんの講演から私が学んだことについて、お話を続けましょう。

なお、アルフォンス・デーケンさんは、ドイツ生まれの上智大学名誉教授で、
「死生学」(生と死を学ぶ学問)や、「ユーモアの研究と実践」は、恐らく、日本一
有名な人です。今日は、デーケンさんの専門分野の「死の準備教育: Death Education 」
について、話したいと思います。

ドイツ出身のデーケンさんのお話の中で、興味を引いたのは、日本語で「死」は、
英語の「 Death 」であり、ひとつの単語ですが、ドイツ語では、死には、2種類
あると言うことでした。つまり、
ドイツ語のverenden(フェアエンデン)は、動物の死を表す
この言葉は、肉体的にだんだん衰えて、やがて死を迎えると言うことです。

ドイツ語のsterbenは(シュテルベン)、人間の死を表す
この言葉は、肉体的に衰えていっても、精神的には、上昇のプロセスを辿りながら、
死を迎えることが出来るという意味で、これは、人間のみが出来る死に方なので
しょう。それでは、人間のみが出来る死に方、逆に言えば、生きかたには、どんなも
のがあるでしょう。生と死は、表裏一体なので、死に方というのは、逆に言えば、
生き方ということになります。

デーケンさんは、人間の死には、次の四つがあると言われました。

★1)肉体的な死(biological death)

これは普通考えられている死で、肉体的にだんだん衰えて、やがて死を迎えると言う
ことです。もちろん、これだけでも、大きな深いテーマですので、これは別の機会が
あれば、別途、述べることと致します。

★2)心理的な死(psychological death)

これは老人ホームなどで、肉体的には元気でも、心理的、精神的には、生きる喜びを
失っている状態で、心理的には、死を迎えている状態のことです。
何も、老人ホームでなくとも、生きる喜びを失っておれば、同じような状態と言える
でしょう。
逆に言えば、このような状態を向かいつつあると気づけば、生きる喜びを再び獲得す
る方向に持って行けば、心理的な死から、脱出し、心理的な生に復活出来るのでは
ないでしょうか。

★3)社会的な死(social death)

これは社会的な接点が失われ、自分と外部との交流がなくなり、仕事も無くなり、
やがては家族との交流もなくなり、一人っきりの孤独の寂しい状態になることである。
これは、逆に言えば、このことに気づいたら、もう一度、積極的に、社会的な接点や
繋がりを求めていけば、社会的な死は免れ、社会的な生に復活出来るのではないでし
ょうか。

★4)文化的な死(cultural death)

これは生きている環境の中で、文化的な潤いが一切無くなるという状態で、
老人ホームなどでは、これを防ぐため
音楽療法(music therapy)
芸術療法(art therapy)
読書療法(bibliotherapy)
などを積極的に取り入れるところも出てきているようです。
逆に言えば、老人ホームに入っていなくとも、文化的な死を迎えつつあると気づいた
ならば、自分の好きな音楽、歌や踊り、読書、著述などの趣味を活かし、もう一度、
堀起こすならば、文化的な死から免れ、文化的な生を迎えられるのではないでしょう
か。

以上、四つの死と生について、学びましたが、この死から脱出して、人間らしい生き
方をするには、要約すれば、生命と生活の質(Quality of Life)を高めるよう努力してみ
るということになるでしょう。

尤も、肉体は、年齢と共に、どうしても衰えつつあるわけですから、若い人のように
激しいことは避け、年相応に、静かな、落ち着いた、熟達した、成熟した、年相応の
生き方がきっとあるはずです。72歳の私も、及ばずながら、それを模索している毎日
です。

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