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●グローバル資本主義の自壊と終焉、今後の再生計画。衝撃の書、『資本主義はなぜ自壊したのか』。マクロ経済学の第一人者、日本構造改革の旗振り役だった中谷巌氏が懺悔の書を著す!

★1.はじめに

同著(集英社インタナショナル)は368頁の大作、力作であり、衝撃の書と言わざるを得ない。小泉元首相、竹中教授、本間教授らが主導し、マスコミ、官僚、政治家、企業、国民の多くが夢中で従い推進した小泉構造改革、グローバル資本主義化を、その旗振り役の一人でマクロ経済学の第一人者、重鎮、中谷巌氏(元一橋大教授、多摩大学学長)が、否定し、自己批判し、間違いであったと認めた懺悔の書だからだ。

早速、本書を購入し、一気に読んだ。まったく同感である。私も後述のように、それを予見し、警告の論文を2008年2月に3報書いているからだ。そして、経済学の重鎮が自説の誤りを認め、勇気をもって率直に、反省、懺悔したことに敬意を表する。(通常、学者は古くなった自説に固執し、自説を変えることはなかなか出来ないことだから)

それに対して、小泉、竹中、本間各氏は、反省もせずに、見苦しいとアマゾンの読者コメントに多々あった。このような態度の違いは、竹中氏らは数字や経済理論を追うが、中谷氏は国民への愛情と視野の広い学識(経済学だけでなく文化論)から来ると述べたコメントがあったが、同感だ。経済学だけでなく、広く人類文化論を見なければ、この問題は解けないからだ。

蛇足だが、本書もまた妻が私に知らせてくれたものだった。読売新聞2月11日付けに本書が紹介してあるよと。(感謝な事に我が家では妻が私のメンターになってくれている)

いまの日本の混迷している政治、経済、社会状況を見ると、果たして日本は大丈夫かと不安になることがあるが、上記のような中谷巌氏(経済学の第一人者)、先報の島田浩巳氏(宗教学の第一人者)のような人が国民への愛情をもって、良書を出し、多くの国民が書店に通い、良書を読み、インターネットやメルマガで良い情報を読む、(このメルマガの読者の皆さんのように)、これを見ていると、日本の底力を感じ、まだまだ日本は大丈夫だ。このような人たちが日本を支えているんだ、これからの新生日本、世界を再構築していくんだと、安堵し、応援せねばと強く思うのだ。

★2.グローバル資本主義の自壊とその牙が日本に与えた大きな三つの傷

その要点は、本書の冒頭の前書きに書いてある。

『世界経済は大不況の局面に入った。この混乱が収束するにはおそらく数年にもわたる調整が必要になるだろう。
しかし、もっと本質的な聞題がある。グローバル資本主義の本質とは何かという問題である。それを明確に理解しない限り、我々は将来、何度でも今回と同じ間違いをしでかすに違いないからである。
グローバル資本主義は、世界経済活性化の切り札であると同時に.世界経済の不安定化、所得や富の格差拡大、地球環境破壌など、人間社会にさまざまな「負の効果」をもたらす主犯人でもある。そして、グローバル資本が「自由」を獲得すればするほど、この傾向は助長される。
21世紀世界は、グローバル資本という「モンスター」にもっと大きな自由を与えるべきか、それともその行動に一定の歯止めをかけるべきなのか。』(同著2頁)

そして、グローバル資本という「モンスター」は、とうとうその巨大な「牙(キバ)」をむき出し、日本、世界に次の三つの大きな「傷」を負わせたと言う。日本の現状をみるに確かにその通りだ。

1. バブル崩壊と世界大不況
2. 貧困層の増大と社会の崩壊、異常犯罪の増加
3. 地球環境破壊の加速

★3.グローバル資本主義の自壊の後の、再生の処方箋

368頁にもなる大冊の中谷氏の同著の前半は上記のようにグローバル資本主義の惨憺たる結果と反省、懺悔が書いてあるが、後半には、日本再生への提言が書いてある。
一つ一つ傾聴に値するので興味ある人は本書を読んで欲しいが、さすがの中谷氏も、これまでの経済学の重鎮だけに、その反省と再整理に忙しく、これからの新しい経済学の構築には、まだこれからの研究に期待すると言わざるを得ない。一神教の弊害を取り上げたのは理解できるが、理想として、キューバやブータンを取り上げたり、(一部正しいだろうが)、まだ、中心課題の整理が充分に出来ていないようだ。その新しい研究は中谷先生にとって始まったばかりで無理も無いことだ。これは、中谷先生にとって専門の経済学だけでなく、それを包含する広い本当の意味での「文化人類学」を知れば、根本的な解決策が見えてくるだろう。経済の専門家の中谷先生の今後に大いに期待する。

★4.新しい文化人類学(地球・宇宙システム学)から見た、日本、世界の再生策

私は、2008年2月の論文で、新しい文化人類学(システム地球学)の立場から、
第一のシナリオとして、物質と我欲の代表のお金を資本とするグローバル資本主義は、モンスターのように、自分を食いつくし自壊するので、
第二のシナリオとして、人間の英知(SQ)を資本とする英知資本主義に変えるべきであり、変えて行かないと、人類はモンスターのように崩壊していくと予見、警告、提言している。(下記斉藤論文参照)

■〜地球温暖化、環境破壊などで破綻しつつある地球社会への処方箋
   新バランスシート(貸借対照表)の緊急提言〜
http://esaitou.c.ooco.jp/080202sihon.html

■地球温暖化、環境破壊などで破綻しつつある地球社会への処方箋(2)〜これから地球、二つのシナリオ〜
http://esaitou.c.ooco.jp/080209balance2.html

■地球温暖化、環境破壊などで破綻しつつある地球社会への処方箋(3)〜地球を救う白馬の騎士になろう〜
http://esaitou.c.ooco.jp/080209balance3.html

★5.まとめ〜日本の底力、中谷先生らへの今後の期待

中谷巌先生のような経済学の重鎮が、私が予見、警告してきた第一のシナリオ(物欲の代表お金を資本とするグローバル資本主義:モンスターによる自壊、人類の崩壊)が見えてきたことはたいへん喜ばしい限りだ。これも中谷先生が多摩大学学長として広く日本の文化人に接したおかげでもあろう。
更に、中谷巌先生が、私の提案した第二のシナリオ(人間の崇高なる英知SQを資本とする英知資本主義が日本、世界を再生する)が、経済学の立場から見えてきて、日本国民、地球人類の崩壊を防ぎ、進化に貢献していくことを期待している。それこそ、日本の底力であり、日本発の英知資本主義が始まるだろう。

追伸:小泉、竹中、本間各氏は、自分で気付くまで放任して観察しておくほかない。小泉前首相には、かつて私は個人的な睡眠法の助言をしたことがあるが、(その結果?、前回衆議院選挙で大勝)、今回は、日本、世界に影響を与える重大な問題だけに、自分で勉強して気付くまで、待つほかない。ただ頭の良い人たちだから一刻も早く気付いていただければ日本の底力の一部となり、日本、世界のためになる。マスコミも政治家も同様だ。また余計なことを言ってしまった。

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