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斉藤英治随想 ●生と死の意味シリーズ(2)〜生と死は、覚醒(昼)と睡眠(夜)に似ている

1)東洋には陰と陽、均衡、西洋には、プラスとマイナス、バランス(均衡)という言葉がある。これは、どちらにも偏ってはならないことを意味している。
図のように、東洋で宇宙を表すという太極図というものがあるが、この太極図を見ても分かるように、流動的(万物流転)でありながら、白(陽)と黒(陰)のバランスがよく取れている。

2)これを生と死について考えてみよう。江戸後期の儒学者、佐藤一斎(1772-1859)は、名著「言志四録」の中で、次のように述べている。(久須本文雄訳、講談社版、910頁)(注:なお、佐藤一斎は、佐久間象山、渡辺崋山らを育て、佐久間は吉田松陰らを育て、吉田は、高杉晋作、伊藤博文らを育て、と連綿と続く、日本の思考法の源流を形成した一人と言ってもいい)

【自分は「昼と夜とは一日の生と死であり、吸う息と吐く息とは一時の生と死であって、ただこれは日常普通のことである」と思っている。・・・】

【死生を見ることは、あたかも昼夜の交代するが如くで、真に当然のこととして何ら気にしない。118頁】、

【死生は昼夜の如し、・・安心して死するを希望する。117頁】


3)この点、私は彼とまったく同感である。自然の一部である人間の生と死は、覚醒(昼)と睡眠(夜)に似ている。吸う息と吐く息に似ている。それらは相似形であり、期間が、それぞれ、一生の問題、一日の問題、一時の問題と時間が異なるだけである。

4)このように考えれば、死は敗北でも、恐怖でもなくなる。それは、睡眠が覚醒に対する敗北でも恐怖でもなく、むしろ、覚醒時(目覚めている活動の時)を活発にし助ける重要な役割を持っていることからも分かる。つまり、生が死を助け、死が生を助ける。

5)このように、生成と消滅は互いに助け合って均衡を保っている。「幸福・喜び」と「苦しみ・悲しみ」も同様だ。どちらも交互に訪れる。どちらもお互いに助け合い、進化、向上に役立つ、どちらにも偏ってはならない。均衡が必要だ。

6) 「苦しみ・悲しみ」だけに浸る必要もなく、 「幸福・喜び」だけを過度に求めてはならない。どちらにも偏ることなく、均衡を保つ時、心は落ち着き、安らぎが生まれる。

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