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斉藤英治随想 随想の目次

●ゴッホ絵画展を見て〜ひまわりの花の中に希望が見える
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一昨日は、大阪の中島に新しくできた国立国際美術館に、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ絵画展を見に行った。大阪にできた初めての本格的な国際美術館。しかも、大阪の中心できたので、大変行きやすく、今までは、京都や神戸の美術館に見に行っていたが、大阪にできたので気軽に行けて大変ありがたい。
(下の写真は、私のために、妻の作子が三ヶ月かけて作ってくれた刺繍(クロスステッチ)によるゴッホのひまわり)

ゴッホの描いた多くの絵画だけでなく、その時代の背景となる、様々な展示物、特に、牧師の父親が持っていた大きな聖書は、その時代の権威を表すものとして、印象に残った。
またゴッホが読んだ多数の本がたくさん並んでいた。いかに彼が読書家であることがわかった。
それに、彼が大きな影響を受けたという日本の広重、北斎、歌麿など、浮世絵かかっていたが、その色彩とデザインは、鮮やか、ほかの展示物を圧倒するような素晴らしさで、なるほど、日本の文化もすごいものだと感心した。

いちばん印象に残ったのは、ゴッホ自身が描いた自画像である。色鮮やかな自画像であったが、その顔は、苦悩で硬直しているような、うつろな顔だった。なぜ、こんな苦しみの中で生きたのだろう。この苦しみの顔の中から、どんな景色が見えたのだろうか。

その中で見えた景色が、苦しいからだと頭の中から見えた景色を絵にしたのだろう。苦しみが大きいほど、希望は明るく見えてくるのであろう。たとえば、「黄色い家」という絵があるが、これはゴッホが、理想に燃えて、ゴーギャンなどの画家との共同で住む理想郷を目指した家だ。小さい家だが明るく黄色く光っている。
ひまわりの絵もそうだ。ひまわりは、日に向かう信仰や希望を表すというが、同時に、もがき苦しむ自分の姿でもあるとゴッホは述べたという。
中心に明るさが見える京都の曼荼羅や希望の心理学を作ったユングが書いた曼荼羅と共通しているようだ。

それにしても、ゴッホが精神病院に入って、死ぬ一年前に描いた絵は、いとすぎの木が異様に上に伸びて、太陽や星がきんかんのように波の波紋のようになっている。かつて、薬の研究開発をしていた私にとって、これは薬の副作用かと疑った。となれば、ゴッホも時代の制約の中で苦しみ、光を求めた人であり、絵の中にある希望を見て人は喜ぶのではなかろうか。
その意味では、絵は売れなかったけれども、多くの人に希望を垣間見せてくれる絵を描いたゴッホは短いがいぎがいのある充実した人生だったかもしれない。


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